借金があると言うと、返ってくる答えはだいたい決まっています。
- まず節約しよう
- 家賃を下げよう
- 美容代や外食代を削ろう
- 遊んでいる場合ではない
全部間違っているとは思いません。借金を返す以上、支出の見直しは必要です。
でも、借金返済中だからといって生活のすべてを削る必要があるのでしょうか。
極限まで節約すれば、毎月あと数千円、場合によっては数万円を返済に回せます。その代わりに自信、体力、心の余裕、仕事への意欲まで失ったら、本当に生活を立て直していると言えるのか。私はそこが引っかかります。
借金1,000万円超、任意整理後も返済中の私は、細かい支出を全部悪者にするより、削っても困らないものは削る、自分で代替できるものは代替する、働くために必要なものは残すという考え方に落ち着きました。
借金返済中の節約は「削ったあと」を考える
借金返済の話では「使わないこと」が正義になりがちです。でも、同じ1万円でも役割は違います。
- 惰性で払い続けているサービス
- 仕事の体力を保つための食費
- 清潔感を保つための美容費
- 心身を休めるための住居費
この4つを「借金があるから」という理由だけで同列に扱うと、数字は小さくなっても生活が崩れることがあります。
私が見るのは、その支出をやめたときに何が起こるかです。なくしても生活が変わらないなら削る。別の方法で同じ効果を得られるなら置き換える。削ると働けなくなる、自信を失う、別の散財が増えるなら残す。この順番で考えています。
私が削るもの・代替するもの・残すもの
削る:使っていない固定費と惰性の支出
まず削るのは、なくしても困らない支出です。使っていないサービス、見直せる通信費、何となく続けている契約などは、生活への影響が小さいわりに毎月お金が出ていきます。
私が実際に減らした固定費は、家計見直しで何を減らしたか?4項目を大幅カットした記事にまとめています。
代替する:ネイルや小さな楽しみ
全部やめなくても、自分で代替できるものがあります。私の場合、ネイルはセルフジェルに変えました。下手ではありますが、少しずつ練習して以前よりはマシになったはずです。
ネイル自体が趣味にもなるので、楽しみを消さずに支出を減らせる部分になっています。自宅で飲むコーヒー、無料マンガ、掃除や香りを使った気分転換も同じです。

お金を使わずにできる気分転換は、お金をかけずに楽しむ方法24選に分けました。この記事では、節約額よりも「削っていいかどうか」の判断に絞ります。
残す:働くために必要な食費・美容費・住居費
一方で、削った結果、働く力や生活そのものが悪化する支出は残します。私にとって代表的なのが食費、髪、最低限の住環境です。
食費を削りすぎて働けなくなったら本末転倒
食費は、削ろうと思えばかなり削れます。毎日ほとんど同じ安い食材だけで済ませれば、東京でも相当安く抑えられると思います。
でも、それを何年続けるのか。食べる量や栄養まで極端に削れば、体力が落ちます。体調や気分を崩せば仕事のパフォーマンスも落ち、「もっと働こう」「転職しよう」「副業を試そう」という気力もなくなります。

私の自炊は「手頃で、おいしくて、栄養が取れて、簡単で続けやすい」が基準です。外食ばかりだった頃より支出は減りましたが、食費が激安というわけではありません。
- 旬の野菜から選ぶ
- 肉と魚を偏らせない
- 卵、わかめ、乾物など使い回せるものを常備する
- 安さだけでなく、調理の手軽さも考える
普段食べているものと食費は、多重債務者の私が普段食べているもの&食費公開に載せています。
美容費は全部が贅沢ではない
借金返済中の美容費は、真っ先に「削れば?」と言われやすい項目です。私も全部を残しているわけではありません。
髪は、節約を試したうえで削らないと決めた
髪については、自分で染めたり、安いシャンプーやトリートメントに変えたり、かなり試しました。でも私の髪では難しく、節約した結果、別の代償が出そうになったこともあります。
今は髪だけはこれ以上削らないと決めています。それでも普通の人よりぼさぼさに見える日はあります。これはもう髪質なので仕方ありません。
スキンケアは高いか安いかより、合うかどうか
昔の私は、借金してまでシミやほくろを取ったことがあります。褒められたお金の使い方ではありません。
今は何万円もする化粧品を揃える必要はないと思っていますが、一番安いものなら何でもいいとも思いません。高い・安いより、自分に合うかどうかを見ています。
過去にやめなかった施術と判断理由は、借金返済中でもやめなかった美容施術5選で正直に書いています。
清潔感まで失う節約はしない
美容室に何年も行かない。服を一切買わない。化粧品も最低限まで削る。それを徹底すれば、年間ではかなり節約できます。
でも、人間関係でも仕事でも、見た目がまったく関係ないとは思っていません。顔の良し悪しではなく、清潔感や、その場に合った身だしなみの話です。
髪が整っている。服が清潔。その場に合った格好をしている。それだけでも人から受ける印象と、自分の気分は変わります。
ブランド品を際限なく買うという話ではありません。日常着は安くても十分です。そのうえで、自信や仕事の機会まで失うところには線を引きます。
家賃は安ければ安いほどいいとは限らない
私は現在、東京では比較的家賃の安い部屋に住んでいます。固定費を下げられるのは大きなメリットです。
住んでみて思ったのは、住環境は数字だけでは測れないということでした。家にいても心が休まらず、イライラする時間が増えることがあります。
以前、もっと住環境の悪い部屋にいた頃は、家が寝るだけの場所になっていました。家でくつろげないから外へ出る。外へ出るとお金を使う。家賃を節約したはずなのに、別のところで発散することもありました。

今は「できるだけ安く」ではなく、きちんと休める最低ラインをどこに設定するかで考えています。休めなければ働けない。働けなければ返済も続きません。
安さだけで住居を決めた経験は、シェアハウスに2年住んだ実体験にも残しています。
人付き合いを全部切ると、お金以外も入ってこなくなる
食事、飲み会、プレゼント、交通費。人付き合いにはお金がかかります。全部断れば、その分は確実に節約できます。
ただ、人とのつながりまで完全に切ると、新しい情報や仕事も入ってこなくなります。何となく参加する会は減らしても、自分にとって大切な人や、今後につながる関係までゼロにはしません。
貧乏だからこそ高くつく支出もある
今の私が本当は削りたい支出の一つが、レンタル家電代です。長期間借りるなら、買った方が安い。それは分かっています。
でも、一括購入するお金がない。貯金を作る余裕がほとんどない生活では、長期的に損だと分かっていても、目先の初期費用を払えないために割高な方法を選ぶことがあります。
節約するためにも元手が必要なことがある。これは借金生活をして実感したことです。
節約より収入を増やした方が早いこともある
生活費を月20万円から15万円にするのは大変です。一方、月収を25万円から35万円にできれば、生活を極端に小さくしなくても返済に回せる金額は増えます。
もちろん「もっと稼げばいい」で済む話ではありません。私自身、昼も夜も働いても、生活費と返済でほとんど残りません。節約にも収入アップにも、体力と時間の限界があります。
それでも、家賃も食費もゼロにはできません。支出には必ず下限があります。だから私は、これ以上数百円を削ることだけに集中するより、単価や働き方そのものを変える方向を考えています。
節約より稼いで返済を早めたい私の作戦では、完済後にやりたいことも含めて書いています。
借金返済中に支出を残す3つの基準
迷ったときは、次の3つを確認します。
- 返済や生活を続ける体力につながるか
食事、睡眠、休める住環境など。 - 仕事や人間関係の機会を守るか
清潔感、必要な移動、意味のある付き合いなど。 - もっと安い方法で同じ効果を得られないか
セルフケア、自宅での楽しみ、契約の見直しなど。
この3つに当てはまらない支出は、いったん止める候補です。必要なら後から戻せます。何でも永久に禁止すると考えるより、今の自分に必要かどうかで決める方が続きます。
生活を立て直すために返済する
毎月決めた返済をする。同じ原因で新しい借金を増やさない。借金ができた原因を少しずつ直す。
それを続けているなら、人生のすべてを完済まで保留にする必要まではないと思っています。数年かけて返す借金なら、その数年間も自分の人生です。
健康を壊すほど食費を削る。自信を失うほど身なりを放置する。孤立するほど人付き合いを断つ。休めない環境に住み続ける。そこまでして返済速度だけを上げることが、全員にとって正解とは限りません。
私の結論はシンプルです。
- 削っても生活に影響しないものは削る
- 自分で代替できるものは代替する
- 削ると働けなくなるものは残す
- 細かい節約だけで足りない分は、収入と働き方を見直す
どう工夫しても返済が成立しないなら、任意整理や自己破産などを専門家へ相談する選択肢もあります。私は実際に任意整理を選び、今も支払いを続けています。
借金があるからといって、人生全部を罰ゲームにする必要はありません。返すものは返す。原因は直す。でも、食べて、休んで、働いて、生きる。
「借金を返すための生活」ではなく、「生活を立て直すための返済」にする。今の私は、その方が長く戦えると思っています。




